今回は、
サムライスピリッツ ネオジオコレクション
に収録されているゲームについて紹介していきます。
時は90年代、ストⅡの影響で世はまさに格ゲー戦国時代ともいえるくらい、各社から様々な格ゲーが発売されました。
サムライスピリッツもその頃に登場。
和風な設定や武器で戦う仕様は、他の格ゲーとは一線を画していました。
90年代のゲーセンは、まさに格ゲー一色といっても過言ではないでしょう。
残念ながら今となっては一部のコア層しか格ゲーには手を出さなくなり、ライト層にとっては手を出しにくいジャンルとなりましたが、
90年代初期の格ゲーは、もっとフラットで初心者でも遊びやすいジャンルでしたね。
本作には、サムライスピリッツシリーズ全6作品から海外版も収録されています。
発売日は2020年6月11日で、switch、PS4、STEAMで発売。
私もSTEAMの安売りセール中の時に購入しました。
当時ゲーセンでも大人気で、後にスーファミにも移植されましたが、拡大縮小なども省略されガッカリ移植でしたね~。
当時はネオジオ版に憧れたものです。
サムライスピリッツ ネオジオコレクション収録ゲーム紹介
サムライスピリッツ
1993/7/7
洋名:Samurai Shodown
記念すべき、侍魂シリーズ第一作目。
SNKとしては、餓狼伝説、龍虎の拳に次ぐ格ゲーとなります。
一般的な格ゲーと違い武器で死闘を行うのが本作最大の特徴で、真っ二つに斬ったり、血が噴き出したりと演出も過激でした。
また、龍虎の拳と同じように、キャラ同士離れると小さくなり近づくと大きなるなど、特に演出に力を入れていた印象があります。
一太刀で逆転されることもあり、本物の剣客同士の死闘のような駆け引きも熱かったです。
後にスーファミにも移植されますが、拡大縮小や過激な演出は全てカットされた劣化移植となり、当時はNEO-GEO版に憧れたものです。
操作はレバーと4ボタンという餓狼伝説2と同じ仕様ですが、これは当時SNKが稼働していたMVS筐体が4ボタン仕様だった為。
ストⅡなどの6ボタンのコンパネを使用することは出来ませんでしたが、ボタン同時押しで弱中強の攻撃が可能。
実は企画段階では、モンスターを主人公としたベルトアクションゲームとして進められていました。
しかし、後にコンセプトを変更し、当時人気だった対戦格闘ゲームとして開発することに。
その名残が一人だけ異質な存在だった、不知火幻庵。
ちなみに、不知火幻庵のモデルはシザーハンズだそうです。
当初はそこまで会社からも期待されていたわけではなく、開発側も比較的伸び伸びと作っていそうですが、それが功を奏したようですね。
当時は各社から様々な格ゲーが出ては即消えたりしていましたが、本作は当時から人気で、息の長いゲームとなりました。
真サムライスピリッツ 覇王丸地獄変
1994/10/28
洋名:Samurai ShodownⅡ
前作から新たに4人の剣士が追加されたシリーズ2作目。
初代の予想外のヒットにより、すぐに続編の開発が始動し、前作から約1年後に本作が発売されます。
今回から新怒システムと、超奥義、武器破壊、受け流し、挑発、下段避けなどが追加。
前作までのキャラがほぼ登場しますが、タムタムだけは大きくてROMのスペースを多く使用する為、残念ながらカットされています。
代わりにタムタムの妹として登場したのが、チャムチャム。
前作は斬新ではありましたが、難易度が高かった印象でした。
本作は色々改善され遊びやすかった記憶があります。
るろうに剣心の志々雄まことの火傷前の姿が、本作の新キャラの牙神幻十郎にそっくりという事も当時から話題でしたね。
また、同漫画に登場する御庭番衆の巻町操(まきまちみさお)のモデルはナコルルであることも有名。
和月先生はサムライスピリッツが大好きで作者自身が言っているので、恐らく間違いないでしょう。
本作は、単品でアケアカネオジオでも復刻しています。
本来はこの続編で最後にする予定でしたが、本作もまたヒットした為、結局第三弾も作ることになりました。
サムライスピリッツ 斬紅郎無双剣
1995/11/15
洋名:Samurai ShodownⅢ
サムライスピリッツシリーズ3作目で、前作の成功を受けてシステムを再び再構築し直した新シリーズ。
今回から前作までの製作スタッフを総入れ替えしています。
システムも完全に構築しなおし、厳しいスケジュールの中、前作の約1年後に発売。
使用キャラクターは全12人と前作よりも減りましたが、異なるタイプの修羅と羅刹から選択が可能となりました。
しかし、これが賛否分かれる内容に。。。(圧倒的に非の方が多いようですが)
また、ボタンシステムも変更され、弱中強はそれぞれボタン1つに割り振られ、蹴りが1つのボタンにまとめられています。
新しく採用されたシステムも多く、前作までとはガラッと変わりましたが、その分ゲームも複雑に。
当時の開発スタッフは、時と共にプレイヤーの平均年齢も上がっていき、それに合わせて少し大人向けの内容にしようと考えたそうですが。。。
初心者殺しの凶悪コンボなどもあり、ライトユーザーが遊びずらくなったのも丁度この頃。
ライトユーザーにはハードルが高いゲーム性で、やはりゲームバランスはあまり良くなかったようです。
私もこの辺りからシステムについていけなくなり、ほとんどやらなくなりました。
SNSでも私と同じように、ここら辺からシリーズを遊ばなくなった方が多かったようです。
シリーズ重ねる毎にどんどんコア層向けに複雑化し、大半のライト層が逃げるのは、当時の格ゲーにはありがちでしたね。
また、当時はバーチャファイター2や鉄拳2など、3D格ゲーが大ブームだったという理由も大きいでしょう。
当時は3Dポリゴンゲーム次々登場し、2Dゲームはちょっと古臭くも見えましたね。
さすがの人気シリーズも、時代の波には逆らえなかったようです。
ヒットを続けてきた同シリーズにも、徐々に陰りが見えてきたのもここからではないでしょうか。
サムライスピリッツ 天草降臨
1996/10/25
洋名:Samurai ShodownⅣ AMAKUSA’S REVENGE
前作の斬紅郎無双剣をベースに、色々変更された続編。
技や演出もパワーアップし、より派手な戦いが楽しめます。
前作は不評だった為、今作では再び基本に戻っています。
修羅や羅刹システムなどは残りましたが、メカニック系は削除されています。
また、プレイ時間によってもエンディング変化しますが、グッドエンディングを出すのは中々大変。
一人用のCPU戦は、各キャラクターが予め決められた6人の対戦相手と戦い、決められた時間内に天草城に辿り着けると天草と斬紅郎と対戦し、それから特定のライバルキャラと戦うという内容。
時間内に城に辿り着けないとライバルとしか戦うことが出来ず、一般的なエンディングになります。
これまでのシリーズは、どのように大きな一撃を与えるかに重点が置かれていましたが、当時はバーチャファイターや鉄拳など3D格ゲーが大人気だった時代。
その影響を受けて、一撃必殺よりも連続攻撃のコンボが重視されることに。
しかし、これが賛否ある評価となり、結果的に従来からのシリーズファンも失うことに繋がります。
前作の斬紅郎無双剣や、本作でサムライスピリッツシリーズを遊ばなくなったと言う人も多いでしょう。
今思うと、この辺りが2D格ゲーの限界だったのかもしれませんね。
サムライスピリッツ 零
2003/10/10
洋名:Samurai Shodown SPECIAL
サムライスピリッツシリーズ7作目にして、久々の2D格ゲー作品。
天草降臨以降の5~6作目は、当時の流行りに乗って3Dポリゴン格ゲーとして発売されましたが、
やはり評判はよろしくなかったようですね。
今回から久々に従来の2D格ゲーに戻っています。
前作までは開発は(旧SNK)が行っていましたが、今作から後継会社となるSNKプレイモアが発売、
悠紀エンタープライズが開発しています。
時系列としては初代よりも前で、天草が登場するずっと以前の我旺の反乱のお話。
以前のお話の為、ストⅡZEROと同じくタイトルに零を付けたんでしょうね。
開発の悠紀エンタープライズは、当時開発チームを持っていなかったため、伝手をたどって、初代サムライスピリッツチームに関わっていた高屋幸治氏に連絡を取り、そこからROMを解析して本作を作り始めました。
開発当初の苦労は、きっと相当だったでしょうね。
ゲームバランスなどには賛否ありますが原点回帰した印象で、本作は中々の高評価を得ることに。
複雑で不評だったシステムの修羅や羅刹などは廃止した為、シンプルで分かりやすくなっています。
個人的にも、あの修羅とか羅刹の分かりにくいシステムは、ホント要らなかったと思っています。
羅刹バージョンで人気のあったキャラは、独立したキャラクターとして残されることに。
ナコルルの羅刹がレラに、火月の羅刹は炎邪に、蒼月は水邪、覇王丸の羅刹バージョンは羅刹丸として登場。
また、ストーリーの評価も高いです。
初代から2作目までが好きだった方にもオススメの作品。
やはり、格ゲーはこれくらいシンプルなのが、ライトユーザーにも遊びやすいですね。
サムライスピリッツ零 SPECIAL
2004/4/22
サムライスピリッツ零に、前作までの複数のボスが追加されたアップデート版。
天草四郎、斬紅郎、我旺、ミヅキを加えた、総勢28人のキャラが使用可能。
残虐描写も強くなっており、絶対奥義と呼ばれる残酷な必殺技が追加されています。
残虐表現は設定で有り無しが選択出来たため、その采配はゲームセンター側で自由に変更出来たそうです。
本来は開発の予定はなかったそうですが、零の意外な成功にでセールスサイドからの要求により、急遽本作が作られることに。
しかし、当時の開発スタッフは、既にサムライスピリッツ天下一剣客伝に移っていた為、新キャラを作る時間がありませんでした。
そこで思いついたのが、餓狼伝説スペシャルで、ギース、クラウザー、ホークローレンスというボスキャラを登場させること。
ガロスペのボスが勢ぞろいしたときと同じように、前作までのボスキャラを追加すること。
わずか3人のスタッフで、6ヶ月も掛からず作ったと言いうのは驚きですよね。
現在は、アケアカNEOGEOでも復刻しています。
プレイモア(当時SNKのIP所有者)は、本作がNEOGEO最後の作品として今後もうNEOGEOゲームをリリースすることはないと計画しておりましたが、
やはり予想外のヒットで、最後にもう一本作ることになります。
こちらも評価の高い作品なので、初期の頃の侍魂シリーズが好きな方は、是非一度プレイしてみて下さい。
サムライスピリッツ零 SPECIAL 完全版
2020年
発売中止となり、長らく日の目を見なかったサムライスピリッツ零SPECIALのアップデート版。
こちらもスタッフ3人という小さなチームで制作されていました。
絶対奥義の残虐演出の調整や各キャラクターのエンディングを刷新。
これにより、次のシリーズ「天下一刺客伝」に繋がるように調整。
零スペシャルの翌年2004年ごろからロケテストがヒッソリと行われおり、完成してはいましたが、残念ながら発売中止。
これまで公開されていませんでした。
恐らく、天下一刺客伝の方を優先していたのでしょう。
結局業務用アーケード基板はもちろん、ネオジオ版も発売されることはありませんでしたが、
発売中止から15年の時を経て、2020年にようやくリリース。
2020年のリリースをもって、本作が真のNEOGEO最終作品。
本作が、サムライスピリッツシリーズの最終版と言われています。
興味のある方は、是非一度試してみて下さい。
特典映像も収録
本作サムライスピリッツ ネオジオコレクションには、ゲーム以外にも様々な特典が収録されています。
サムライスピリッツのストーリーや開発秘話、
開発スタッフのインタビュー、音楽や大会の動画など、
まさに、ファンにはたまらない内容です。
また、アートブックやサウンドトラックなどがセットになった豪華限定版もあります。
シリーズファンの方は、買っておいて損は無いと思いますよ。