セガが生んだ数々の名作アーケードゲームの中には、
実は日本でしか稼働しなかった、又は流行らなかった“幻の作品”が数多く存在します。
厳密に言えば海外での展開は限定的で一部設置店もありますが、かなり知名度が低い作品。
今回は、昭和~平成のゲームセンターを彩った、日本だけで流行ったセガアーケードゲームを厳選紹介!
海外では未発売・未展開だった驚きのタイトルとは?
レトロゲーマー・セガファン必見のラインナップです!
ちなみに今回のデータは、海外のアーケードデータベース
KLOV(、Killer List of Videogames キラー・リスト・オブ・ビデオゲームズ)
を参照に作っています。
実は日本だけ!欧米ではマイナーだったセガアーケードゲーム
トランキライザーガン
1980年
アーケード
SG-1000/SC-3000
ハンターを操作して猛獣を捕まえていく、セガ初期のアクションゲーム。
麻酔銃で動物を捕まえて檻に入れるという、当時としてはかなりユニークな作品。
国内ではアーケード版の後に、SG-1000/SC-3000などにも移植されています。
亜流作品なども多く、日本ではそれなりに知名度の高い作品でしたが、
残念ながら欧米での知名度は、かなり低いようです。
英語タイトルで“Tranquilizer Gun”という名称自体は存在し、一応出荷自体はされたみたいですが、
実際には北米・欧州ともに稼働例や広告はほとんどなく、ごく一部に流通しただけだったようです。
その理由としては、やはり麻酔銃で動物を撃って捕まえるというテーマが厳しかったようです。
象牙などの密猟なども問題となっていた時代なので、こうしたテーマは受け入れられなかったのでしょう。
内容的に欧米では倫理的な問題があると判断され、ほぼ国内専用となっています。
忍者プリンセス
1985年
日本ではかなり知名度が高い、セガのアクションシューティング。
くるみ姫が、反逆者の「玉露左衛門」を倒して寒天城を奪還する内容。
海外では『Ninja Princess』名義で一部販売されたそうですが、それは非常に限定的。
外人は忍者が好きそうですが、多くの海外アーケードでは未展開でした。
その理由としては、やはりジャンルの嗜好などの違いがあるようです。
日本では可愛いものや奇抜な作品なども、時には人気となりますが、
当時の欧米では、格闘やレース、シューティングなどが人気。
可愛い女の子が主人公というのは、当時の欧米ではあまり受け入れられなかったのでしょう。
後にセガマークⅢやマスターシステムにも移植されますが、
こちらは国内外問わず、主人公が男性になって「Ninja」というタイトルに変更。
忍者プリンセスとしては、海外ではかなり知名度は低いでしょう。
青春スキャンダル
1985年
さらわれた恋人を救う、国内では王道設定のアクションゲーム。
まぁ確かに本作は、”いかにも日本”って感じの作品なので、海外では知名度が低いのは当然でしょう。
夕陽を見ながらライバルと語り合う設定は、いかにも昭和の熱血・青春ドラマ!
しかし、欧米の価値観では、そんなの伝わらないですよね。
一応、海外でも「My Hero」のタイトルで発売されていますが、
しかし、それも非常に限定的で、知名度はかなり低いはず。
海外のアーケードデータベース(KLOVなど)でも、情報は少なく
それだけ実際に遊んだ欧米プレイヤーも、ごくわずかという事でしょう。
ちなみにKOLVとは、Killer List of Videogames(キラー・リスト・オブ・ビデオゲームズ)
の略で、アメリカを中心としたアーケードゲームの大規模オンラインデータベースサイトです。
海外のゲーセンでMy Heroを遊んだという実体験や公式記録も非常に少なく、
ほぼ日本限定の稼働と考えられます。
後にマスターシステムに移植されますが、評価はかなり低め。
本作に関しては設定も内容も、海外ではあまり評価されなかったのでしょうね。
アストロフラッシュ
1986年
ロボットと戦闘機に変形可能な、横スクロールシューティングゲーム。
わりとオーソドックスな内容で、開発はコアランド。
当時のチビッ子は、変形、合体などが好きでしたよね。
こちらも日本では一定の設置率がありましたが、
海外ではほとんど知られていない、セガ初期の埋もれた作品です。
Astro Flashというタイトルから海外でも展開していそうですが、
実際には海外向けに大きな出荷はされておりません。
国内では後に同名タイトルでセガマークⅢに移植されており、
海外でもマスターシステムに移植されますが、こちらはTransBotというタイトルに変更されています。
これはトランスフォーマーに触発され、タイトルを変更したとの事。
TransBotという名前なら欧米でも聞いたことがある人は多いかもしれませんが、
Astro Flashというタイトルは知名度が低く、ましてアーケード版は
ほとんど知られていないでしょう。
まぁ本作に関しては、日本での知名度もイマイチでしたが。。。
SDI
1987年
アメリカの戦略防衛構想をゲーム化した作品で、タイトルは
Strategic Defense Initiative
の略。
8方向レバーとトラックボール、1ボタンで操作するちょっと特殊なコンパネ。
オフェンシブとディフェンシブに分かれ、地球に飛んでくるミサイルを撃ち落としていきます。
残機制ですが、下段のダメージメーターが満タンでもゲームオーバー。
日本では一部マニアの間で高評価でしたが、残念ながら海外での知名度はかなり低め。
欧米でも一部販売されたようですが、本格展開はされず日本中心で稼働していました。
あまり出荷台数が伸びなかった原因としては、
- トラックボールの特殊なコンパネの導入が、海外ではハードルが高かった
- レーガン政権の防衛構想「SDI」がリアル寄りな軍事テーマで、子供受けが悪かった
- 同時期にセガの他のヒット作、アフターバーナーやアウトランなどが目立っていて埋もれてしまった
などの理由が挙がっていました。
本作も後にマスターシステムに移植されますが、アーケード版の知名度はかなり低いでしょう。
コットン
1991年
国内では当時から人気だった、ナタデコットンが主人公の横シューティングゲーム。
コットン2など後のシリーズは、海外でも人気となりますが、
初代はほとんど知られておらず、知名度はかなり低いようです。
アーケード版は日本国内向けのみで、北米・欧州ともに稼働記録はほとんど見当たらず、
海外のゲーセンでプレイされた痕跡もほぼありません。
一応海外でも稼働していたようですが、その数はかなり限定的。
魔女っ子、ファンタジー世界、派手な魔法、軽いギャグというのは、
日本ではけっこうお馴染みの設定ですが、
やはり海外では、あまりウケなかったようですね。
また、その他にも、当時はシューティングゲーム自体が既に下火だった、
SUCCESSが海外展開に積極的ではなかった
とも言われています。
KLOVでの扱いも情報はかなり少なく、ユーザースコアも0(ほとんど遊んでいない)という評価。
但し、初代は知名度は低いですが、コットン2はかなり評価が高いようです。
クイズ廊下に立ってなさい(クイズゲーム全般)
1991年
当時は各社から様々なクイズゲームも発売されており、ちょっとした息抜きに遊んでいた人も多かったでしょう。
セガからもクイズゲームがいくつか発売されており、
・クイズ廊下に立ってなさい
・クイズ宿題を忘れました
・クイズめくるめくストーリー
など、遊んだことがある人も多いはず。
特にセガ直営のゲーセンでは、よく見かけたものです。
しかし、欧米ではクイズゲームというのは少なく、需要もなかったみたいですね。
本作の問題なども、主に日本のテレビやスポーツなどの問題が多く、
欧米で出したところで、そりゃ売れんでしょw
仮に欧米向けに発売するとしても、当然問題を入れ替えなければならず、
そこまでして売れる保証もありませんからね。
クイズゲームや麻雀などは日本独自のもので、海外展開はほとんどされていないようです。
アラビアンファイト
1992年
アラビアンナイトをモチーフとした、ベルトアクションゲーム。
演出面が特に力が入っており、必殺技の使用時はアップのアニメーションがカットインされています。
敵が手前から現れたりなど、登場シーンも斬新。
これでゲームも面白ければ文句なしでしたが、ベルトアクションとしては微妙な出来でしたね。
本作も一応海外でも一部流通されていたようですが、
やはり知名度はかなり低いようで、KLOVでも100 段階評価で2 にランクされています。
(100 は最もよく見られる、1 は最も一般的でない)。
実際には日本中心の展開で、海外流通は極めて限定的。
その理由としては、やはり単純にゲームとしてイマイチだったからでしょう。
但し、本作に限っては日本でも、そこまで知名度が高い作品ではなかったですが。。。
個人的にもアストロシティミニで数十年ぶりに思い出したゲームで、
それまですっかり忘れ去っていました。
PUZZLE & ACTION タントア~ル
1993年
こちらも一時期ゲーセンでも大流行だったミニゲーム集。
連射やタイミング系、数を数えたりや一筆書きなど、様々なミニゲームをクリアして進んでいきます。
若い世代には、90年代セガ版「メイド・イン・ワリオ」といえば、分かりやすいかも。
本作は1人よりも、やはり友達と競う二人プレイが特に盛り上りましたね。
日本では人気シリーズとなり、後にイチダントアール、サンドアールなど続編も作られますが、
海外では展開が非常に限定的、かつ知名度もほぼ皆無に近い、
まさに“日本だけで盛り上がった”セガタイトル。
そもそもタイトル名自体が、ダジャレみたいなもんですからね。
また、キャラや世界観も日本的ですし、ミニゲームの内容も漢字や言葉遊びなど、日本文化ネタも多いです。
これにより、英語版のローカライズも難しかったのでしょう。
一応欧米でもPuzzle & Action: Tant-Rというタイトルで出ていたようですが、
アーケード版の展開は、ほぼ皆無だったようです。
また、家庭用ゲーム機での移植も少なく、知っている人は少ないでしょうね。
ソニック・ザ・ファイターズ(Sonic the Fighters)
1996年
ソニックとその仲間たちが登場する、3D格闘ゲーム。
海外版は、Sonic Championshipとして発売されますが、
やはり全米規模の本格展開には至らず。
大都市圏やロケテスト的な導入(カリフォルニアやラスベガスなど)にとどまったとされています。
北米の一部では展開されたが限定的、欧州ではそもそも発売すらされませんでした。
ソニックなら欧米でも人気が出るのでは?っとも思いますが、当時の海外3D格闘市場は
- バーチャファイター
- 鉄拳
- ストリートファイター系
に偏重していたそうです。
また、「ソニックで格闘」は子供向けと見なされてしまい、ハードコアゲーマーにはウケが悪かったとの事。
更に、本作自体、操作やバランスがイマイチで、国内でもそれほど人気は出ませんでしたからね。
本作は国内外問わず、知名度はあまり高くはないでしょう。