ファミコンは1983年に日本で発売され、世界中にゲーム文化を広めた伝説的ハードですが、
実は海外では発売されなかった名作タイトルがたくさんあるのをご存じですか?
今回は、
「えっ、これ海外で出てないの?」
という驚きとともに、日本限定で発売された知る人ぞ知る
名作ファミコンソフト10選をご紹介します。
海外ユーザーが羨ましがる、まさにジャパニーズ・レトロゲームの秘宝をぜひご覧ください!
ちなみに現在は、欧米でもだいぶ遊べるようになったみたいですね。
実は日本だけ!欧米では発売されなかったファミコン名作ソフト
忍者じゃじゃ丸くん
1985/11/15
ジャレコ
ファミコン初期の頃に人気だった、忍者じゃじゃ丸くんシリーズの第一作目。
アーケードやファミコンで人気だった、忍者くんの弟という設定。
忍者くんはUPLのキャラなので、恐らくジャレコのキャラが欲しかったんでしょうね。
シンプルで高難易度だった前作の忍者くんに、様々なアイテムなどが追加され、
わりと子供でも遊びやすい難易度になった本作。
個人的にも単調で難易度が高い忍者くんよりも、じゃじゃ丸くんの方が好きでした。
後に続編も色々登場する日本では人気シリーズでしたが、
残念ながら欧米のNESでは発売されませんでした。
本作が海外で初登場したのは、2007年のwiiのバーチャルコンソールから。
最近はswitchのファミコンや、
JaJaMaruLegendary Ninja Collection
などでも復刻しています。
今は海外でも遊べるようですが、当時は全く遊べなかったみたいですね。
貝獣物語
1988/11/18
ナムコ
こちらも一部では人気だった、ナムコのRPG。
4つの不思議な力を持つ貝を使い、大魔王を封印するという設定。
貝を持つ貝獣達は、それぞれ別々の場所から出発する為、
まずはマップを見ながら合流を目指します。
その為、パッケージにはマップやフィギュアなどが付属されていました。
こういうギミックや設定は、子供は大好きですよね。
当時としては面白いシステムのRPGでしたが、やはり欧米では発売されず。
日本のRPG、いわゆるJRPGは最近でこそ評価は高いですが、
当時の知名度は、まだまだだったのでしょう。
付属品なども色々多いので、英語にローカライズするのも大変だったのかもしれませんね。
ジョイメカファイト
1993/5/21
任天堂
ファミコン後期に発売された、ロボット同士が戦う対戦格闘ゲーム。
当時は空前の格ゲーブームだったこともあり、各社から様々な格ゲーが発売されていました。
しかし、それは主にアーケードやスーファミなどで、ファミコンでは格ゲーは無理と言われていましたが、
本作は最低限の部位を残すことで、ファミコンでも大きく滑らかにキャラを動かすことに成功。
技も出しやすく、またストーリーを進めるとキャラが増えていくのもやり応えがあります。
ファミコンでも何とか格ゲーを出したい!
ファミコンしか持っていない子にも格ゲーを楽しんでもらいたい!
という任天堂の優しさが伝わってきます。
日本ではけっこう人気が出た作品ですが、やはり欧米では発売されず、
本作が遊べるようになったのは、なんとswitchオンラインのファミコンになってから
それまでは、恐らく海外では全く知られていなかったでしょうね。
独眼竜正宗
1988/4/5
ナムコ
海外ではほとんど知られていないゲーム、独眼竜正宗。
まぁ、そりゃそうでしょw
日本では、当時歴代最高視聴率を叩きだした大河ドラマ「独眼竜正宗」の影響もあり、
本作もかなり人気だったことを覚えています。
ナムコらしい分かりやすい戦国シミュレーションで、子供で遊びやすかったですよね。
しかし、そんな人気も当然国内だけで、欧米人からしてみたら
日本の地方の戦国大名など知らなくて当たり前。
我々からしたら、外国の16世紀頃に活躍した、ちょっとマイナーな英雄のゲーム!
っと言われても、やはりピンときませんもんね。
英語ローカライズも難しいでしょうし、わざわざそこまでして欧米で発売しても
全く売れないでしょう。
今でこそ、日本の戦国時代や大名などが好きな外人も多いかもしれませんが、
当時の欧米諸国にとっては、日本も中国も韓国も同じ国と文化と思っていた人も多いはず。
同様に、信長の野望や三国志、不如帰などの歴史シミュレーションゲームは、
ほとんど海外では発売されず、知名度はかなり低いでしょう。
ラグランジュポイント
1991/4/26
コナミ
こちらも知る人ぞ知る、ファミコン後期の名作RPG。
22世紀の巨大スペースコロニーを舞台とした設定で、バイオ軍とレジスタンスの攻防を描いた作品。
ファミコン後期作品ですが、本作はその完成度の高さから知名度は高い方でしょう。
元々はファミリーコンピューターマガジンの100号記念企画の一環として作られた作品で、
国内では一部ゲーマーからも人気でしたが、当然欧米では全く知られていません。
聞くところによると、音楽などの権利関係が問題で中々リメイクも復刻も出来ないみたいですね。
当然switchなどでも配信されていないので、今でも日本でしか、
ファミコンでしか遊べない貴重なゲームでした。
ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島
1987/9/4
任天堂
ディスクシステムで発売された、日本昔話などを色々丁寧に組み合わせたアドベンチャーゲーム。
前編・後編が発売され、後編の発売が待ち遠しかったことを覚えています。
日本人なら誰でも知っているおとぎ話を上手く融合させ、クリアした時は感動したものですが、
しかし、それはあくまで日本人の場合。
当然、欧米人が本作を遊んだところで、面白くも何ともないでしょうね。
ましてディスクシステムが発売されたのは日本国内のみで、海外では出ていないのも厳しいとこ。
ゼルダやメトロイドなどの人気作は、後にNESにも移植されていますが、本作は日本国内だけ。
同様に、遊遊記やタイムツイスト、ファミコン探偵倶楽部なども欧米では発売されていないようです。
こういった日本独自の価値観や文化のゲームというのは、海外では理解されにくいでしょうね。
月風魔伝
1987/7/7
コナミ
こちらも日本では当時から人気だった、和風テイストなアクションゲーム。
主人公の月風魔が鬼たちを倒していくオーソドックスな内容。
いかにも外人が好きそうな設定で、当然海外でも人気かと思いきや、
意外にも本作は日本だけで、海外では発売されませんでした。
今でこそ武者が刀で戦う和風設定は人気ありますが、当時はそこまで知名度は無かったのでしょう。
「地獄門が開き、妖魔が蘇る」という和風オカルト・妖怪伝奇系のストーリーで、
登場する敵や背景、演出も仏像・般若・鬼・和風建築など、日本独自のビジュアル表現も多いです。
結果、 欧米ユーザーには「意味不明」になりかねなかった・・・という事で、発売を見送ったそうです。
また、英語ローカライズも、かなり難しかったのでしょう。
つまり、文化的・宗教的な理解ハードルが高すぎたのが、海外未発売の要因と言われています。
また、当時のコナミは、悪魔城ドラキュラや魂斗羅などが海外でも人気がありましたので、
むしろ海外版は、そちらに力を入れていたのかもしれませんね。
しかし、最近ではSTEAMの
GetsuFumaDen: Undying Moon
で復刻して、ようやく海外でも遊べるようになりました。
ドラえもん
1986/12/13
ハドソン
こちらも当時大ヒットした、ドラえもんのアクションゲーム。
ステージによってアクションやシューティング、探索要素などもあり
日本では、100万本を超える大ヒットとなりました。
当時のチビッ子が大好きだったドラえもんのゲームという事で、ハマって遊んだ人も多かったはず。
個人的にも映画版の大長編ドラえもんが大好きで、本作はドはまりしたものです。
小学生の頃は、夏休みに毎年ドラえもんの映画を見に行ってましたね~。
しかし、そんなドラえもんの人気も、当然ですが日本のみ。
今でこそ一定の知名度はあるかもしれませんが、
当時の海外でドラえもんを知っている人は少なかったでしょう。
そもそも藤子不二雄アニメ自体が、当時は日本(か東アジアの一部)だけの放送だったようです。
その後も移植や復刻もされず、今でも本作を遊べるのは当時のファミコン版のみ
日本で生まれて良かったと心底思いますね。
ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣
1990/4/20
任天堂
ご存じ、今尚シリーズが続く任天堂の人気シミュレーションRPG第1作目。
今でこそ世界的にも大人気シリーズのファイアーエムブレムですが、
実はファミコン版、スーファミ版までは日本国内のみで、欧米では発売されてませんでした。
北米や欧州で発売されたのは、ゲームボーイアドバンスの
Fire Emblem The Binding Blade ファイアーエムブレム 烈火の剣
から。
欧米で発売されなかった理由としては、
- 英語ローカライズが難しかった
- シミュレーションRPG自体の人気が無かった
と言われています。
しかし、2001年の『スマブラDX」でマルスとロイが登場したことで、
このキャラ誰?と海外の任天堂ファンが興味を持ち、
ここからファイアーエムブレムの知名度も上がっていったそうです。
switch版のファイアーエムブレム 風花雪月などは、海外でも高い評価を得ていますが、
しかし、ファミコン版を知っている人は、かなり少ないでしょう。
MOTHER
1989/7/27
任天堂
海外未発売だったと知って、個人的に最も驚いたのが本作。
こちらも当時から人気だった、任天堂初の本格RPG。
糸井重里氏が脚本でもお馴染みの作品ですね。
80年代のアメリカを舞台とした内容で、てっきり欧米でも発売されていたかと思いきや、
なんと販売は日本国内だけでした。
欧米で遊べるようになったのは、wii Uバーチャルコンソールから。
実は当初は北米でも、Earth Boundというタイトルでローカライズされ発売する予定でした。
英語版ROM(ほぼ完成済み)も存在しており、パッケージデザインまで準備されていたようです。
しかし、任天堂は最終的に「北米市場では売れない」と判断して、発売を中止に。
その理由はいくつかあるようですが、
やはり、英語ローカライズが難しかったようですね。
糸井氏の独特のユーモアや言い回し、言葉遊びなどは英語化するのが困難で
翻訳にも非常に時間がかかったそうです。
また、
当時の北米では、ファンタジーRPG(ドラクエ型)よりもアクションゲームが主流。
更に、当時は既にスーファミ時代となっていた為、今更ファミコンのRPGは売れないだろうと判断したのでしょう。
しかし、その後、海外のレトロゲームコレクターの手によって「未発売英語版のROMデータが流出。
なんとこれが世界中のファンを熱狂させ、
「日本にこんな名作があったのか!」
と一時期話題になったとか。
その機運が盛り高まり、恐らく任天堂アメリカでも「是非復刻してほしい!」という声が上がったのでしょう。
ようやく2015年Wii Uのバーチャルコンソールで、北米向けに『EarthBound Beginnings』として正式配信。
という流れだそうです。
あの時、任天堂が発売していたら、きっと北米でも売れていたんでしょうね。
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