1990年代、アクションやシューティングで人気を集めていたメガドライブ。
特にアーケードゲームの移植作品は評価が高く、満足していた人も多かったでしょう。
しかし、逆にメガドライブは、家庭用ゲーム機で当時人気を博していた
RPGは弱い!
と言われていました。
そんな評価を覆すため、セガが立ち上げた大型企画──
メガロープレプロジェクト
セガが本気で挑んだ“RPG黄金計画”の全貌と、そこに込められた野望と挑戦の物語を振り返ります。
メガロープレプロジェクトゲーム特集
新創世記ラグナセンティ
1994年6月17日
ネクステック
メガドライブ後期に登場した、セガ渾身のアクションRPG。
一見するとゼルダライクだが、独自の進化を遂げた意欲作。
主人公は、動物たちと心を通わせながら世界を救う旅に出ます。
様々な能力を持つ動物たちと共闘するのが本作の特徴で、そこがゼルダの伝説との大きな違い。
動物ごとに異なる能力を使い分けるシステムや、心を失った人々の描写など、哲学的なテーマ性も。
グラフィックの完成度も高く、軽快な操作感や多彩なフィールド演出など、
メガドライブの限界に挑んだ作品として評価が高い。
「セガが本気でRPGに挑んだ証」として、いまなお根強い人気を誇る名作。
しかし、メガドライブユーザー以外からは、意外と知名度が低い惜しいゲーム。
現在はメガドラミニ2や、switchオンラインのメガドライブでも配信されています。
ゼルダ的な謎解きアクションRPGが好きな方には、是非一度遊んでもらいたい名作。
シャイニング・フォースCD
1994年7月22日
ご存じ、セガの人気戦略シミュレーションRPGシリーズ、シャイニングフォースのメガCD版。
アクション中心のメガドライブに、RPGの厚みを加えた作品としても有名なシャイニングフォースシリーズ。
本作は、ゲームギアで発売された『シャイニング・フォース外伝』シリーズ2作を一つにまとめ、
イベントや演出を強化した完全版的な内容です。
ゲームギアからの流れで、町の設備などは必要最低限に簡略化されていますが、
その分、進行も分かりやすく迷うことは無いでしょう。
メガCDの大容量を活かし、壮大な物語と多彩なキャラクターが本作の魅力。
戦略性の高いターンバトルはそのままに、物語のスケール感と演出が大幅に進化。
メガロープレプロジェクトの中でも、セガの技術力を最も感じられる一本。
前編後編に分かれており、ラストで一同が揃う王道的な内容に大興奮だった人も多いでしょう。
しかし、高価なメガCDという事もあり、当時遊べたのはお金持ちなど限られた人のみ。
いくらソフトが素晴らしくても、ハードが買えなければ遊べませんからね。。。
ここが本作の非常にもったいないところ。
メガCD一式を今から揃えるのは大変ですが、現在はメガドラミニ2でも復刻しています。
今から遊ぶなら、メガドラミニ2が断然おすすめです。
シャイニングフォースシリーズ好きの方は、今から遊んでも十分楽しめるはず。
ドラゴンスレイヤー 英雄伝説
1994年9月16日
日本ファルコムの名作RPGのメガドライブに移植版。
ドラゴンスレイヤーシリーズ6作目にして、英雄伝説シリーズの1作目。
元はPC8801向けに発売された作品で、その人気の高さから後に様々なゲーム機に移殖。
メガドライブ版は移植にあたり、画面構成を大きく見やすく変更されています。
王道のファンタジー世界と緻密なストーリーが魅力で、派手さはないが、
しっかりとしたシナリオと音楽でプレイヤーを引き込みます。
戦闘はシンプルながらテンポが良く、ストーリーテリング重視の構成は
当時のメガドライブRPGの中でも異色の存在。
セガが他社ブランドを取り入れ、RPGラインナップを拡充しようとした
メガロープレプロジェクトの象徴的タイトルでもあります。
アフターハルマゲドン外伝 魔獣闘将伝エクリプス
1994年11月11日
メガCDで発売された、かなり個性的なRPG。
PCで人気を博した、ラストハルマゲドンの世界観を受け継いだ作品。
主人公は魔族の戦士達で、人類は家畜という終末的な世界観。
それもあってか、全体的にダークで重苦しい雰囲気が漂います。
非常に好みが分かれる作品で、設定からして苦手な人も多いはず。
しかし、他にはない殺伐とした世界観で、ハマる人はドはまりする作品でもあります。
また、BGMの評価も非常に高いです。
好き嫌いはハッキリ分かれそうですが、派手さよりも“渋さと深み”で勝負した一本であり、
メガドライブRPGの多様性を象徴する作品でした。
ストーリー・オブ・トア ~光を継ぐ者~
1994年12月9日
メガドライブ後期に発売されたアクションRPGの傑作。
剣と魔法、そして様々な特性を持つ精霊と協力して進んでいきます。
古代の伝説と精霊の力をめぐる壮大なストーリーで、非常に評価の高い作品。
アクションゲームのような快適な操作性で、キャラを動かしているだけでも楽しい一品。
技の出し方なども、当時ブームだった格ゲーに近いものを感じますね。
操作性、グラフィック、音楽、演出、全てが洗練されており、セガのRPG技術の集大成とも呼べる作品。
黄金に輝く砂漠や神殿の風景は、まさにメガロープレプロジェクトの象徴ともいえるでしょう。
本作も後に様々なゲームで復刻していますが、
現在は、メガドラミニやswitchオンラインのメガドライブでも遊べます。
ドラゴンスレイヤー 英雄伝説II
1995年1月20日
前作から続く、ドラゴンスレイヤー英雄伝説シリーズ第2弾。
イセルハーサ編と言われる、第一期シリーズ締めの作品。
Ⅰから20年後という設定で、今作の主人公は前作のセリオスの息子アトラス。
基本的なシステムなどは、前作を踏襲しておりますが、
今回はイセルハーサに加え、地下国家ファーゲスタを舞台に物語は展開していきます。
メガドライブ版ではグラフィックとテンポが改良され、より遊びやすくなっています。
シナリオの厚み、キャラ同士の会話、そして前作の世界観を引き継いだストーリー展開は見応え十分。
セガが“外部名作RPG”を積極的に採用していたことを示す一本であり、
メガロープレプロジェクトの「多方面連携」の象徴でもあります。
王道の良さと安定した完成度で、硬派なファンからも支持された作品。
但し、前作をプレイしていないと分かりずらい・・という声も多く、
本作をプレイする前に、前作のⅠを遊んでおくことをお勧めします。
後にプレステやセガサターンで、1.2セットで販売されていますので、
そちらで始めるのも良いでしょう。
サージング・オーラ
1995年3月17日
メガロープレプロジェクト最後となった個性的な戦闘システムのRPG。
邪悪な呪法師から世界を救う王道の流れですが、大きな特徴はその戦闘方法。
独特の呪文詠唱システムが、戦略の鍵となっています。
各魔法には、それぞれ詠唱時間が設定されています。
また、戦闘もリアルタイムで時間が流れていくので、慣れるまではけっこう忙しいです。
重厚なストーリーと戦略性の高いバトルで、ドラマティックな展開が大きな魅力。
アニメ調のキャラクターデザインや丁寧な会話演出など、ストーリー重視RPGとしても完成度が高いです。
ファンタジー世界の裏で描かれる陰謀と人間ドラマは、まさに“セガ版ファイアーエムブレム”といえる仕上がり。
メガロープレプロジェクトの後期を支えた意欲作として、今なおコアなファンに愛されています。
しかし、メガドライブ晩年の作品という事もあり、知名度はかなり低いでしょう。
これまで移植も復刻もされておらず、今となっては中古も超高額。
本作も、いずれはswitchオンラインなどで配信してほしいですね。
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